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世界が滅びて幾年の月日が流れたでしょう
この身が朽ちて幾年の月日が流れたでしょう
私はまだ覚えています
あなたの声、あなたの温もり、あなたと共に過ごした日々のことを
閉ざされた世界に迷い込んだあなたは、私に光りを与えました
希望を与えました
夢を見せてくれました
毎日が楽しくて
毎日が愛しくて
離れるのが切なくて、悲しみを覚えました
あなたは渡り鳥
止まる木に寄り添うことはあっても留まることはありません
私は止まり木
鳥たちに休む場所を与えても安寧をもたらすことはできません
ほんのひとときの愛しき時間
戻ることはないでしょう
旅立つあなたの背中を、私は今でも覚えています
佇むことしかできない私をあなたは覚えていてくれますか
とても贅沢な悩み
本来は持つことが許されない望み
この広い空、青い空の向こうで、あなたが笑っていてくれることを私はただただ願っています
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