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明け方、部屋の片隅で横たわる何かがあった。それは、既に息を引き取った祖母の姿だった。
祖母の埋葬が終わると、リアは自分の部屋に戻り、祖母は病気でなかったにも関わらず、何故亡くなったのだろうと考え、途方に暮れていた。
「どうして、どうしてなの、おばあちゃん。わたしをひとりにしないで、おいていかないでよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その時だった、リアに語りかける何者かの声がした。
『オマエハ、ソウイウサダメナノダ』
「誰⁉」
辺りを見回すが誰もおらず、人影もなく、気配すら感じなかった。その『声』は自分の身体の内側から語りかけている。気が付いたが、理解するのに随分時間がかかった。
やっと理解が追いついてくると、実体を持たない『声』に恐る恐る聞いてみた。
「あなたは、だれなの?」
すると『声』が問いに答えた。
『ワタシハ、オマエダ』
さらに困惑してしまう。
(『ワタシハ、オマエダ』ですって?じょうだんじゃない。わたしはこのせかいに、ただひとりしかそんざいしないにんげんなんだ!!)
リアは意思を強く持った。もう一人の『自分』に抗う為にはそうするしかなかった。
「だまれ!おまえは、わたしじゃない!わたしは、わたしなんだ!」
すると嘲笑うようにもう一人の『自分』は言う。
『ワタシヲウケイレナイノカ。フン、オロカナ。コノワタシカラ、ノガレルコトハデキナイトイウノニ』
リアは、もう一人の『自分』に否定を続ける。
「わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。わたしはわたしだ。」
思考回路が焼けるように熱くて痛む。彼女の『身体』はもう限界を迎えていた。
ああ、意識が遠くなっていく・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ワ・・・タシ、・・・・・ハ!・・・・・ワ・・・タ・・・・・シ、ダ」
いつの間にか、『リア』という名の彼女は完全に消えていた。
少女だった、その『身体』には、『悪魔』が宿り、怪しくも優しく感じる不気味な笑みを浮かべていた。
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