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入学式での出会い
「わが中学校は、社会で活躍する紳士と淑女を養成する学校です。皆さん、良い紳士と淑女になられますよう、ご活躍を期待します」
入学式は、まるまるっと丸まったダンゴムシのようなドームの体育館の中で行われ、大勢の生徒が並び、始まった。
挨拶をした校長先生は女の人で、わっ学校の校長先生って美人。
すらりとした長身でモデルみたいにほっそりして、長い髪を背中にふわふわ垂らして、白いスーツを着た人だ。外国人みたい。
「では、全校生徒を代表して、伊藤青蔵君に挨拶してもらいましょう」
綺麗な校長先生が次に紹介した男の子を見て、私は驚いた。
わあ、カッコイイ。
ううん、違う違う、そうじゃなくて・・・
私はその人を知っている。
ずっと前に会ったことがある。
もしして、私のずっと探していた人?
「えー、皆さん、小春日和の今日の良き日に、入学おめでとう」
毅然としたりりしい立ち姿、短めの髪で爽やかな男子。
スカイアンドシー中学校の制服の紺のブレザーにチェック柄のネクタイも似合っている。
生徒代表ってことは、学校でも頼られる人なのかな?
私のずっと探し続けてきた人だったら、いいなあ。
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