神捧村ー人柱の村にようこそー

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俺がチラシを渡すと、心はチラシを真剣に目を通し始めた。 「ミステリーツアーって、どこに行くかわからないんだよね。ちょっと不安だけど、早く申し込まないと満席になっちゃいそうだし、申し込んでみようか?」 俺は小躍りしそうになるのを堪えて、「じゃ、今から電話をかけるよ」と言って、スマホを取り出し、チラシに書いてある電話番号に電話をかけた。 人数、氏名、年齢、住所を確認された後、『登録完了しました。では、8月25日の夜8時に名古屋西口のバラの噴水前でお待ちしています』と言われて、電話が切れた。 「心、夜8時に名古屋駅西口のバラの噴水前だって」 「わかった」 心はバックからスケジュール帳を取り出し、嬉しそうに予定を記入している。 ツアーだから他にもツアー客はたくさんいるだろうけど、なるべく2人きりになって心といちゃいちゃしたいな。 きっと、心もそれを望んでいるはず。 「もう大毅ったら、ニヤニヤして何を考えているんだか」 心に俺の考えている事を見透かされたのがちょっと恥ずかしかったから、「ニヤニヤって……ワクワクしてたんだよ。ミステリーツアーなんて初めてだから」とごまかした。 「そういう事にしておいてあげる」と心は笑って言った後、腕時計を見て、 「そろそろ時間だから行かなくっちゃ。大毅、ミステリーツアー楽しみにしてるね」 心は俺に手を振りながら、バイト先のカフェに向かった。
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