三、「ボーイ・ミーツ・おっぱい」

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三、「ボーイ・ミーツ・おっぱい」

おっす! 俺、伊集院幸助。 この学校では平凡な生徒の一人だが、こんな俺でも野球部に所属していて、レギュラーなんだぜ。 俺のポジションはライトで打順はいつでも八番に固定されてる。 ライトで八番という事から「ライパチ幸助」と異名だってあるんだ。 だから、どんなピッチャーも俺を相手にすると必ず勝負してくる。 勝負に負けても、みんな、優しく「ドンマイ・・・。」って、言ってくれる。 ツーアウトで俺に打順が回った時のみんなはとても優しい。 みんな、グローブを持って守備に着く準備をして、プレッシャーを和らげてくれるし、いつものように三振しても無言で守備に着くんだ。 監督も「早く守備に着け。」って、気持ちを切り替えるように促してくれる。 だから、俺はチームメイトの為に努力は惜しまず、練習に打ち込んでるんだ。 しかし、先月、事件が起きた。 どしゃ降りの雨の中、近くの高校と練習試合をしたんだが、その時の試合で俺は足を滑らせて捻挫してしまったんだ。 今は一年生がライパチの座に座っているが、こいつがなかなかできるヤツで、今ではたまに6番を打ってて、もうすぐクリーンナップに入るとか、どうとか様々な疑心暗鬼チックな噂がほぼ確定の香りを放ち、漂っている。
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