四、「アナーキー・ザ・おっぱい」

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「質問ばっか、ウゼーんだよ!この腐れハゲ、コラ!見ろ、この乳を!デケーだろうが、あたいの乳はよぉ!デケーだろ!?これで頭、潰されてぇのかよ!?あぁん!?」 「うんちボックス」の壁の上で身を踊らせながら凄むおっぱい恵はまるでキングギドラであった。 凄まれたウザハゲは思った。 この少女はとてもアナーキーだ! それにおっぱいで殺されるなんて、とっても嫌だ! どうにかこの少女を和ませなきゃ! あんなおっぱい、落とされたら、ライトフライを取るようになんて処理できない! 本当に頭が潰れて死んでしまう! ここはいつものように相手の心を「掴む」べき・・・! そして、ウザハゲこと、男・幸助は阿修羅のような形相で息を整えている少女に和やかな「掴み」を投げかける。 「ぅ笑ってぇ、もっとぅ、ベイベィエェ~♪無邪気にオン、マァマイ~ン♪」 微かなビブラートも加わり、短い生涯の中ではあるが、今までで「最高の桑田佳祐」を演出できたと実感できたウザハゲ幸助は自分でも満足できた笑顔を浮かべ、少女の表情を伺った。 一方、少年に「掴み」を投げかけられたおっぱい恵的にはワケがわからなかった。 なぜ、ウザハゲがいきなり歌い出したのかがわからなかったし、なぜ、森進一のモノマネなんかをしたのかが・・・。 もしかすると、このウザハゲは「頭がおかしいのでは?」と、芽生えた不安により、冷静さを取り戻せたのは不幸中の幸いだった。
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