二、「おっぱいな妄想」

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ゴシゴシ・・・ シュッシュッ・・・ ゴシ・・・シュッ・・・ゴシ・・・。 たまに変な摩擦音が混じりますが、どうやら彼も私と同じように何かを擦っているようです。 もしかして・・・。 私はハッとして、グッとはきませんでしたが、ピーンときました。 彼も間違いなく、何かを・・・ おそらく壁を擦っていて・・・ もしかしたら・・・ 私の落書きを消してくれている親切な男子で・・・ さらにもしかして・・・ 高島くんなのでは・・・。 あぁ、高島くんが私の為に放課後、トイレで落書きを消す為に壁を擦ってるなんて・・・。 それもあんなに熱心に・・・。 力強い音から男らしさが伝わってくる・・・。 高島くん・・・ 私の為にそんなに力強く擦ってくれるなんて・・・。 感激の余り、私は手の動きを止めて、涙を堪えてしまいました。 すると、 隣から音に混じって、「おぅ・・・ぱいぃ・・・」という言葉が唸り声で耳に入ってきました。 その瞬間、感激はピタリと一時停止され、真顔になった私は湧いてきた好奇心に身を委ね、壁にそっと耳を当てて聞き耳を立ててみました。
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