三、「ボーイ・ミーツ・おっぱい」

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俺の怪我がヤツにチャンスを与え、ヤツはそのチャンスを活かし、怪物となった。 今では誰もが俺の怪我の心配より、逸材を見つけた喜びと野球部の未来への展望が広く見据えられた希望に満ち溢れ、みんな、朗らかだ。 俺は先輩として、ライバルになるより、怪我が治るまでライパチの座を任せる事をヤツに直々に話しに行った。 なのに・・・ヤツは・・・ 「はっ!?ライパチの座?何すか、それ?つーか、怪我したの足っすよね?ゲラゲラ♪」 最近の若いコときたら、これだもの・・・。 その場は桑田佳祐のモノマネでウケを掴み、上手く切り抜ける事で先輩としての面目は保てたが、内心では深く傷付いていたオレは涙を堪えきれず、トイレに駆け込んで桑田佳祐のモノマネの声のままで泣いてしまった。 そんなオレを慰めてくれたのは壁にそっと浮かび上がっていた「淫らな落書き」だった・・・。 それからのオレは通院を理由に部活を休み、ほぼ毎日、この「うんちボックス」でおなっている。 学校のトイレでする「おなにー」は刺激的でクセになった。 やけに静かで集中できるし、親にティッシュの減りを指摘される心配もない。 そして、落書きを見ながら、「こんな女子が居るんだなぁ!すごいなぁ!エロいなぁ!」と、妄想しながら、やっちゃうのが心地良いんです。
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