レディースじじい

4/133
前へ
/133ページ
次へ
築地で寿司屋をしている母方の祖父の助六だ。 怖いというより、天敵だ。 ちゃきちゃきの江戸っ子で、頑固の極み。 口も悪けりゃ、手も早い。 子供の頃から、何度殴られたことか! その助六と一緒に暮らすことになるなんて、思いもしなかった。 両親の葬式に助六は来なかった。 自分の一人娘が死んだというのに。 アヤカは泣くまいと思っていたのに、号泣してしまった。 両親は、こんなレディースをしている娘を可愛がってくれた。 別にアヤカは親に不満があってレディースをしていたわけではない。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加