レディースじじい

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b54a2fe1-993c-44d2-b1d0-fbc3b32180b9 アヤカは泣いている涼を背中から抱き締めたかった。 しかし、こんな体では気持ち悪がられるだけだ。 涼にもし、「気持ち悪い」の一言でも言われたら、アヤカはもう即死する。 初めての恋は、こんなにもビクビクするものなのか……。 ああ、じじいが憎い!!! この顔が!!! 「アヤカ! 動悸が激しい! オレゃあ、心臓が悪いんだ。死んじまうじゃ ねえか!」 「うるせー! じじい、黙ってろ!」 涼が一人でしゃべっている助六を見た。 「助六さん、どうしたんですか?」 「い、いや……。こう、心の中がうるさくてよ」 「ああ、わかります。そういう時ってありますよね」 涼がニコッと笑った。 涙の跡がある。 助六、78才、はキュンとなる。 いや、正確には、助六の顔をしてはいるが、体はアヤカなので、アヤカ、17 才の心がキュンとしたのだ。
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