やさしい闇と宇宙船

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私は小学生になり、しばらくすると宇宙船ゴッコはしなくなる。 体が大きなったのもあるけど、何だか気恥ずかしくなった。 「もう、そろそろこれも終わりかな」ってお父さんが言った意味が分かったような気がした。 もう私には宇宙船がなくても大丈夫なようだった。 そして、私は大学まで出て、大人になった。都会に出て、結婚もして二人の子供に恵まれている。受験を失敗したり、リストラにあったり、嫌なことも色々あったけど、そんな事、今考えると、ほんとどうでもいいことばかりだ。 ずっとお父さんがいてくれたから。 ……いてくれたから。
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