相談があると呼び出された話

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相談があると呼び出された話

 それは、業務が立て込んでいた日のことだった。会社のメールアドレス宛に、後輩から1本のメールが届いた。 『茶谷様 お疲れ様です。赤堀です。実は折り入ってご相談とご報告がありまして連絡しました。 現在営業部はお盆前でお忙しい頃かと存じますので、どこかご都合の良いところでお時間頂戴したく。 ちなみに、マーケは先月で佳境を乗り越えましたので、いつでも構いません。 ご検討、よろしくお願いします。    赤堀』  文面かってーな。赤堀、お前、普段と全然ちげーな、と突っ込みたいのを飲み込んで、どうやら深刻な相談があるらしい、と察する。 『ん? 急に何だよ』  とりあえず、探りの1本を転送先の会社携帯から送る。何て返ってくんだろうな、と若干不安になりながら待っていたら、 『茶谷様  お疲れ様です。赤堀です。要件は、個人的なことです。  以上、よろしくお願いします。』 という、またしても気持ちの悪いメールが戻って来た。  なんだよ、個人的なことって。噂になっていた青木との付き合いについて相談するつもりなら、全く興味がない。 『わけわかんねえ』  それだけ返信して、電話を掛けた。埒があかないのはどうも苦手で、さっさと要件を聞きたい。
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