大魔女伝説の第一歩のため踏み台になってください

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 この青白い光の結界の中に普通の人間は足を踏み入れられない。向かってくる剣にクローディアは満悦の表情だ。 「(イサ)」  しかしシャルロッテの凛とした声に呼応し、剣はクローディアに刺さる寸前で止まった。しばらくして剣は重力に従い、床に落ちる。  鈍い音が響き、状況を悟ったクローディアは眉と目をつり上げ、シャルロッテに憎悪をぶつける。 「美人が台無しね。今度は体を張ってまでは庇わないわよ」  そこでシャルロッテは一息間を空け、意識を集中させる。 「【鋼鉄の檻、ニルヴァーナを逃したケルベロスの咆哮(ほうこう)、闇を支配する者の(くびき)を逃せ!】」  口にした呪文は力を持ち、クローディアにぶつかる。彼女の長い断末魔が館中に響き、火あぶり後のような焦げ臭さと熱が発散された。  なにかがふっと消失し、クローディアは気を失ってその場に倒れ込む。床に描かれていた青白い光も消え、クローディアの安否を確かめようとフィオンが彼女の元に駆け寄った。  息があるのを確認し、団員に伝達する。場が違う意味で騒がしくなってきた。 「あーあ。完全に予想外、計画が大失敗だわ」  シャルロッテが肩を落として近くの壁にもたれかかる。 「それはこちらの台詞だ。まったく私も勢いで、こんな小娘なんかと契約してしまうとは……」  ヘレパンツァーが後悔と自己嫌悪で顔を歪めて吐き捨てる。しかし彼はふと真剣な面持ちになった。
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