聖女ではないと証明するため派手に呪ってみます

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『それはお前が愛や恋に無関心だからだろう』 「……お前、地味に根に持っているのか?」 「なんのこと?」  シャルロッテはとぼけたが、肯定しているも同然の態度だ。もしかするとさっきの仕返しも含まれているのか。  ヘレパンツァーは苦い顔で今後の展開に思いを馳せる。そして、ふと気になった点を口にする。 「どうしてあの男がろくに寝ていないとわかったんだ?」  ライマーの去り際、シャルロッテはやけにはっきりと彼の睡眠不足を指摘していた。 「ああ、簡単よ。目は充血していて足元はふらふら。時折あくびを噛みしめている様子を見てね。あの短気さは睡眠不足なのか元々の性格なのかは知らないけれど」  こういった彼女の観察眼については純粋に感心する。魔女の資質のひとつだ。それをけっして口にはしないが。  ヘレパンツァーとしては悪魔も憑いていない以上、呪いなどおそらく存在しない。ただの言いがかりだ。  一方でシャルロッテは、それだけでは終わらない気がした。あの絵に関してなにも感じないとは言ったが、なにかが引っかかる。  ぼんやりとしたずっと(もや)が残っている。この正体がなんなのかシャルロッテもはっきりさせられない。  魔女の直感とでもいうのか、この部屋に入ってその思いがさらに強くなっていた。
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