人狼的配慮

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カズくんをベッドに寝かしつけながら、お話をする。 「だから、ママたちの『そらみみ』だったの」 息子は、長いあくびをひとつ。 「じゃあ、人狼はこない?」 「こないこない」 「パパもおそわれない?」 「だいじょうぶひぶひ」 私は鼻の頭を指で押さえ、ブタの真似をした。ぶひぶひ。 「カズくんたちのおうちは、レンガの家より強いよね」 ああ、「三匹のこぶた」のことか。 「だいじょうぶひぶひ」 カズくんはひと笑いすると、満足そうに目を細めた。 そしてそのまま、眠ってしまった。
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