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時は進んで2021年8月、日本の登山グループがエベレスト登頂を目指している登山中、突然濃い雲が猛スピードで迫ってきた。
「おい!あの雲は不味いぞ!避難場所を急ぎ探そう!」
雪と氷で覆われた中、より安全な場を見付けた。
「ここなら凌げるかもしれない。皆!よくよく注意してくれ!」
とうとう濃い雲に囲まれてしまった。
皆に不安が襲う。
雷を伴ったその雲は、雷鳴を轟かせながら、辺りに幾つも雷を落とした。
グループの風避けにしていたすぐ傍の氷に雷が降臨した。
カッ
ビシャーンッ!!
ガラガラガラガラガラガラ……………
皆身を縮めて目を閉じた。
表面の氷が崩れていく。
ゴゴゴゴゴ………
「危ない!」
雲は物凄い勢いで去っていった。
何とか皆無事であった。
崩れた氷の奥から、恐ろしく透明な氷の塊が出現した。
神秘的であった。
吸い込まれるように皆近付くと
「あれは!人だ!人が中で死んでます!」
透明な氷の中に、3人が倒れているのがはっきり見えた。
「ちょっと待て!あの姿は日本の着物じゃないか?ちょんまげ?侍だ!まさか!?」
登山グループは雷の影響での雪崩を警戒し、地上に引き返した。
数週間後、大人数の集団がその場所に来て、氷の中の人を出す作業をした。
「傷付けないように気を付けろ!貴重な発見かもしれない!」
「しかし生きてるみたいに綺麗な死体だな」
無事3体の遺体は出され、町へ降ろされた。
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