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私にとって、母というのは絶対の愛情をくれる人だ。
私がイタズラをしたら当然叱られるし、何なら思い切り拳骨を貰ったりした。
あれは相当痛かった。
成長してシナプスという細胞のことを知ると、お母さんの拳骨のせいでシナプスが減ったから、私は勉強が出来ないんだよ。と冗談交じりに、半分は本気で言うくらいには。
中学の時には、褒めて欲しかった時に全く褒めてくれなくて泣いてしまったこともあった。
あれはきっと人生で一番褒めて欲しかったときだったんだろう。
今でもあの時のことは心の傷になっているから……。
そんな母でも、愛情を疑うようなことは一度もなかった。
思春期に良くあるという、この世の中で自分は一人で、孤独なんだと感じる瞬間。
そういうのは私にはなかった。
どんな時でも、必ず自分を想ってくれている人がいると信じているから。
……いや、違う。
信じているんじゃなくて、知っているんだ。
信じる信じないじゃなくて、それが当然のものだという事実が私の中にある。
大人になった今では、思い返すと私何であの状態でも愛情を信じられたんだろう? と思うこともあった。
小さいころの拳骨は八つ当たりもあったと母の口から直接聞いたりもしたのに。
それでも、やっぱり母は母で、ずっと私の尊敬する人だ。
そう、今、この時も。
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