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「母さんなんか、大嫌い!」
そんなこと言って僕は家を出た。母さんは止めなかった。きっと母さんも怒ってるんだろう…
僕は勉強が嫌いだった。だから、部活ばっかやって全然勉強しなかった。
部活のこともあってか前まではそこまで言われなかったんだけど、流石にダメだったらしい…
母さんは
「流石に勉強しなすぎでしょ!」
と怒った。
(こっちだって部活を頑張っているのに)
少しイライラした僕は反抗した。今思うとしなければよかったなーと思うが、今更だ。
もう外は暗かった。
(流石に帰ろうかな)
気がつけば、公園にいた。
(公園から家には近いはず、)
完全に日が落ちる前に僕は急いだ。
(なんだか騒がしい)
救急車が止まっている。サイレンが鳴り響く…
母さんは死んでいた
僕がいない間に、勝手に死んだ
幸せだっただろうか?
最後を見守ってももらえず
幸せだっただろうか?
僕は今でもわからない
母さんが亡くなって、一週間が経った
母さんは遺書を書いていたらしい。警察の方がわざわざ来てくれた。
「この手紙を息子の健に渡してください
元気にしてますか?学校には行ってますか?受験も近いよね?
ちゃんと勉強してる?私がいきなりいなくなって驚いてるよね。
ごめんね。いきなりいなくなって。けれど心配しないで、私は
幸せでした。
健は悲しんでるかもしれない。けど、悲しまないで欲しいな。
私が死んだために落ち込んじやって、何かあったらさ…だから。
少なからず、私はあなたと過ごせて幸せだった。
健も幸せだったと思ってくれてたら嬉しいです。
けど、私が死んだからって人生を変えないでほしい。
あなたが思うように生きてください。全力で生きて、
いつか会えたときは、私に人生を話してください。
母さんより」
母さんはがんだった。あと数日しか生きられないことも知っていた。
僕を止めなかったのも迷惑をかけないためだった。
今にも泣き出しそうだった。
(泣いたら母さんが悲しんじゃうよね)
これ以上母さんを苦しめたくなかった。だから僕は「嘘」をついた…
「母さんなんか大嫌い…」
僕の母さんは世界一だ
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