☆弐

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『何か、すでに嫁みたいだな』 榛名がそんな事を考えていると、テーブルに料理が並べられていた。 「榛名さん、食べましょう」 「いただきます」 「召し上がれ」 榛名が昼食を食べ始めると、黒猫も猫缶をやっと食べ始めるので有栖はフッと微笑む。 「何笑ってるんだい?」 「榛名さん、やっぱり猫さんなんですか?」 「何故そうなる?」 「黒ちゃんが猫のボスみたいに慕って見えるんですもん?」 「気のせいだろう? 猫ではないんだから」 「ふふっ」 有栖が可愛い笑顔で笑っていると、チャイムが鳴るので玄関へと向かうと宅急便だった。 「ご苦労様です」 有栖は箱を受け取ると、宛名を見るが名前が書いてない。 不思議に思っていると、箱が勝手に動き出してパァーンとクラッカーみたいな音がして破裂した。 「えっ?! な、何なの!」 「何だ、今の音は?!」 「榛名さん、箱が勝手に破裂しました」 「怪我はないか?」 「あっ! 何かカードが!」 ―愛しの有栖ちゃんへ― 今日のパーティーにはそのドレスを着てきてね? by林檎と書かれていた。 「あっ! 可愛いドレス」 「馬鹿か、アイツは」 「ふふっ 林檎さんからだったんですね? 宛名がなかったから誰からかと思いましたよ」 「んー 何か可笑しいな」 「えっ?」 「林檎はさっき何も言ってなかったんだけどな」 「サプライズじゃないんでしょうか?」 「うーん? ちょっとまた電話する」 「はい」 有栖は可愛いドレスを抱き抱えて座り込んでいたが、黒猫がこちらに走ってきた。
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