ずうっと側に…

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おかあさん!おかあさん!おかあさん!  僕は 大きな声で おかあさんを呼んだ…… 何度も何度も おかあさんと呼んだ…… 何度も おかあさんと呼んだ… …つもりだった…… いつもは僕より先に起き 僕の側に来て優しく頭を撫でてくれるのに…… 布団で静かに眠るおかあさんを見つめる。 疲れてるのかな…… 朝方 おかあさんは 凄く大きな鼾をかいてたのを知ってるよ。 だって、怪獣がきたのかと思うほど『ガォーガォー』って言ってたから… それから暫くして おかあさんは また静かに眠ったんだよね? だから僕も同じように眠ったんだよ。 でもね、おかあさん そろそろ起きようよ? 今日は 僕が おかあさんの側にいくよ。おかあさんのように 頭は撫でられないけど…… おかあさんの頬に自分の頬を当てて スリスリする。 『ユウ、くすぐったいよ』 僕がスリスリすると おかあさんはいつも そう言うのに…… 今日は何も言わない…… 目も開けてくれない…… どうしたの?おかあさん? 僕は もう一度おかあさんの頬に スリスリする…さっきよりも長く…… あれ?おかあさんの頬が いつもより冷たいよ… 何?どうしたの? おかあさん? おかあさん おかあさん おかあさん!! 僕は 大きな声で お母さんを呼んだ……
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