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「いらっしゃいませ」
隠れ家のような一軒家のフレンチレストラン
今日は多分貸切にしてあるんだと思う
他のお客さんは来ないはずだけどお店の扉が開いた
「真山さん。お疲れ様です」
多分よく来るんだと思う
軽く店員さんに頭を下げてから
真っ直ぐカウンターまできて真山さんの前に立ち綺麗なお辞儀をした
『秀好様・・・・お忙しい中お呼びだてして申し訳ございません』
「いえ、父からの呼び出しですから。・・・・父と弟は個室ですか?」
『はい』
「ここで待ちます」
そう言った彼は真山さんから俺に視線を移した
「真山さん、こちらの方は?」
『・・・・・保田道竹様です』
「・・・・あなたが・・・・初めまして、秋好の兄の秀好です。
秋好がお世話になっております」
初対面
だけどそんな感じがしないのは、彼も上條様に似ているから
高身長で細身の体に柔らかい雰囲気
ハンサムだけど秋好の顔とはまた違う
見たことは無いけれど、もしかしたら奥様の柔らかさを受け継いでいるのかもしれない
上條様を《静と動》と例えるとすれば
お兄さんは上條様の《静》秋好は上條様の《動》の部分を受け継いでいるように見える
上條様はまるで毒と薬を両方持っているような
秋好は毒しか持たず、お兄さんは薬しか持っていないような印象
あくまで第一印象だけど
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