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今頃秋好は家族と食事を楽しめてるだろうか
秋好は俺の事があったから父親のことをよく思っていないけど、
家族が好きだから。だからきっと大丈夫─────
「ん・・・・何時だろう」
気がついたらソファでウトウトしていたみたいだ
「道竹・・・・起きた?」
隣から秋好の優しい声がして、隣を見ると秋好が俺を見つめていた
ああ、安心する
さっきは電話越しにあんな子供っぼい声を出していたのに、こんなに落ち着いた声も出せるんだから
お前といると本当の自分を見せてもいいんだと、お前の柔らかい声が、愛しいと伝えてくるその瞳が、俺を安心させる。
だから俺は6歳も下のお前に全てを委ねられるんだ。
だんだん周りが見えてくる
どうやら隣に座る秋好の肩に寄りかかって眠っていたみたいだ
「ごめん、遅くなっちゃって」
「いや・・・・こっちこそ。起きて待っているつもりがいつの間にか寝てた、ごめん」
「そんなのいいよ、待たせた俺のせいだし。ご飯食べたらすぐ帰ろうと思ってたんだ。でも・・・・母さんが楽しそうで・・・・」
「楽しかったか?6年振りとかなんだろ?あの店でみんなで揃って食事するの」
「うん・・・・親父と道竹の事を知るまではよく来てた。家族4人みんなあそこの料理が大好きで、家族誰かの誕生日や記念日があれば
あの店でディナーするのがうちの恒例行事だった。貸切にしてるから4人がでわいわい笑いながら話したりして・・・・・・・もうあんな和やかにあの店で4人で食事なんて出来ないと思っていたんだ」
「今日はどうだった?昔と変わってたか?」
「それが・・・・全然変わってなかった」
「そうか。」
「1度は俺が壊してしまって、家族離れてしまったはずなのに・・・・なにも変わらなくて・・・正直戸惑った」
俺は寝起きの気だるい体を動かし隣にいる秋好の頭を優しく撫でた
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