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「…………道竹?大丈夫?」
気がついたら見慣れた天井で、周りを見渡すと、もう何度も過ごしたことのあるベッドルームにいて、俺の横には心配そうに覗き込む秋好がいた
「……俺……」
「飲みすぎですよ。次の日旅行だからお酒は控えめにって言ってたの道竹でしょ?」
「ごめん……」
そう俺がしおらしく言うと
安心したかのように秋好が微笑んで
ペットボトルの水を手渡してくれた
「酔い潰れるなんて珍しいですね。みんなあの課長がダウンしたの初めて見たってびっくりしてましたよ?ちょうどお開きの時間だったし僕が課長を送りますって抱えて帰ってきました。」
そうだ。おれは今までどんな酒の席でも酔っ払って醜態を晒すことは無かった。人に無防備な姿を見せたくなかったから
「いつもは………気をつけているからな」
「……今日はらしくない飲み方してどうしたの?」
「秋好が…………」
そう言うと、秋好が突然自分の名前が出てきて驚いた様で目を見開いた
「俺が?」
「……みんなの前で俺の事話してたから……名前は言わなかったけど……でも俺の事言ってくれてて………ハラハラしたけど……嬉しかった」
────凄く大切な人です。将来結婚しようと思ってます
───全部です。全部ひっくるめて一生一緒に居たいって思ってます
「凄く嬉しかった。2人きりの時、何度も言ってくれていたけど
周りがいるのに堂々と話すその姿に、覚悟に……俺は嬉しくて舞い上がったんだ。」
そう言うと、秋好は寝ていた俺の頭を優しく撫でてくれた
「舞い上がっていいよ?素直に生きよう?」
そう言われると、俺の目から自然と涙が零れ落ちた
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