プロローグ

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プロローグ

俺、いつも普通に見られる 好きなタイプとかフェチとか性癖の話とかになるでしょ? 大学のときサークルの飲み会でとか 会社の飲み会や、合コンとかで みんな酔いが回ってきたら聞き出すよね、 中には話したくてうずうずしてる人もいる 人のその夜の事情とか知りたくて ほら、人のしてるところって見られないから探るんだろうね そしてサークル仲間や同僚は俺を見て言うんだ 見た目や性格で判断して 「保田って、普通っぽいよな」って 「保田課長、ノーマルっぽいですよね」 それを聞いて思うこと ああ、裏表、ちゃんとできてるんだ俺 隠せてるんだ、俺の歪んだ部分 俺の事、わかってねーな 俺は誰よりも普通じゃないよ 隠してるけど 誰かに暴かれたい むちゃくちゃさらけ出したいけど 隠さないと変態といわれてしまうから 表の世界で俺は普通に振る舞い 平凡なフリをする その反動で 裏の世界で普段言えない性癖をさらけ出し 俺はこの世界を生きるためのバランスを取る 「あんた、本当はゲイで、ドMの変態だろ?」 だから表の世界で 表の知り合いにそう言われた時に 凄くビックリして、バレたまずい!と思ったのと同時に ゾクゾクした サークルの飲み会で みんなが俺を普通っぽいと言ってた時も 会社の飲み会で みんなが俺をノーマルっぽいと言った時も バレなくてホッとしたけど バレなくてガッカリした そんな、俺に気がついてくれた 普段はそんな夜の俺に気がつくはずがないと思っていた君に暴かれて興奮したんだ
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