ツギハギスタッカート

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こんな時に限って現れないでほしかった。さらに私の心がキュッ…って強く締め付けられる。 だったらいっそ、ここで切ろうか。そうだ。切ってしまおう。あの糸を。ここなら私が酷いことを柚希に言えば柚希はきっと私を嫌ってくれるし、離れていってくれる。 そうすれば、私は楽になれる。そうやって考えれば、たかが糸をちぎるだなんてこと何てことない。…ほんの少し寂しくなるかもだけど。 「ねぇ、柚ちゃん」 「うん、どうしたの?」 「わ、私たち、」 「うん?」 次言葉を発すれば切られる。なのになんで言わないんだ私…そうか。まだ決心しきれてないんだ。何処かに「今この瞬間に起きる奇跡にかけよう」とか思ってるのかな。 でも、残念なことに彼女は私の話の続きを待っているだけだ。一、クラスメートとのコミュニケーションを取っているだけだ。 そこで私は気がついた。 そっか。そっか。こんなに想いを募らせていたのは前から私だけだったんだね。
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