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エピローグ
綺麗な夕焼けが空を真っ赤に染めていた。
その夕焼けを見る3つの影。
「ねぇ、ママ。」
「なぁに?」
「お空が真っ赤だね」
「そうだね、真っ赤な空だね。綺麗だね」
「うん。きれい」
小さな男の子は左手を繋ぐママを仰ぎ見る。
ママの目は夕焼けを見ている。
男の子は心の中で「ママこっち見て」と念じる。
ママは心の声が聞こえたかの様に男の子を見た。
「ママは夕焼けが好き?」
「そうね、綺麗な夕焼けは大好きよ」
男の子は大きな声で「僕も!」と叫ぶ。
そのまま、ママは満面の笑顔で続けた。
「うん、夕焼けを好きって言うアキトが夕焼けよりも大好きだよ」
男の子も満面の笑みで答える。
「僕もママの方が大好き」
二人のやりとりを聞いていた男性がニコニコしながら二人に問いかける。
「アキト、夏海、パパのこと忘れてないか?」
二人は一斉に男の子の右手を握る男性を仰ぎ見る。
二人の声は揃った。
「忘れてないよ」
「パパ大好き」
「ハヤト大好き」
アキトと夏海はおかしくなって笑い出した。
ハヤトも二人に釣られて笑い出す。
3人は笑いながら家路についた。
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