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 気がつくと自分が横たわっているのが分かった。  だが分かったのはそれだけだ。  目を開けても、瞑っているのと変わらない。  真っ暗しか見えない。  目が見えなくなっているのかもしれない。  何度も瞬きしてみたが、何も見えない。  「目が見えないんじゃないぞ。ここが真っ暗なだけだ」  不意に少し離れたところから年配の男のぶっきらぼうな声が聞こえてきた。  どうやら私が何か怪しい動きをしている気配を察知したのだろうか。  「ここはどこなんでしょうか?」  「さあ」  「さあって……」  「とりあえず手探りで周りを調べてみたが、床とあんた以外に触れるものは無かったよ」  「そうですか……」  どうして自分がこんな何も見えない場所に監禁されているのだろうと、絶望感が込み上げてきた。  「まあ、焦っても仕方がない。気長に待つさ」  さっきは少し高い場所から聞こえていた男の声が、床すれすれから聞こえてくるようになった。  どうやら男は寝そべったようだ。  気長に待つため、体力の温存でもしようということなのか。  私は気を失う前の自分を思い出そうとしていた。
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