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夏の朝
晴翔は試験期間が終わり夏休みだ。課題や勉強は家でするつもりだし、参考資料が必要なときだけ学校の図書館に向かえば良い。正直晴翔は少し心が浮き立っている、この町で朝から晩まで都と二人きりの生活なんて。実家は誰かしらの邪魔があって思う存分二人で過ごす事ができない環境でもあったから。
一方、夏休みになったとは言えども都の朝は早い。肩書すらないものの家の手入れから食事の準備後片付けまではすべて都の仕事。しかし幼い頃から朝は早かったから、むしろ朝寝坊することのほうが慣れてはいなかった。今日も日の出前に目を覚まして、洗濯をはじめる。日差しが強く暑くなるだろう、でも良い天気の一日になりそうだ。
「都」
「あら起きましたか、晴翔さん。おはようございます」
「朝早いんだな、お前」
「早いってもう九時になりますよ、よく眠れましたか?」
「ああ、試験前で徹夜が続いていたからな。久しぶりによく眠った気がする」
「朝ご飯出来てますよ、今朝は洋食にしてみました。パン焼きましょうか」
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