プロローグ

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 なにより、彼が部長を務める天文学部が新入生勧誘のときに行っていた催しに、かんぜんに魅せられてしまったからだった。 「天体の勉強について、あたしにいろいろレクチャーしてもらえませんか!」  週に三回の天文部の活動が終わって、みんなが帰ったあと、残って夏休み中に行われる星空観測会の活動の計画を立てていたところ。話を切り出すタイミングにそこを選んだのは、彼が学園でも有名なモテ男子だったからっていうのが大きい。  ファンクラブもあるくらいのその人に、たった一人で話しかけているところを誰かに見られたら、告白と誤解されたりとか、いろいろとめんどうなことになりそうだと思ったんだ。 「じつはあたし、天文部に入部しといて、理科が苦手で。でもどうしても、今年の秋の文理選択で、理系を選びたいんです!」
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