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寝室にもそのタイプを置きたいと言われ、さすがに拒否した。
『可愛い鹿乃子さんの寝顔を眺めながら寝たいんです』
などといくら懇願されたところで、着替えたりもするところは却下だ。
「今日は夜、こちらへ来るんですよね?
晩ごはんはどうしますか」
『そうですね、可愛い鹿乃子さんの作ったごはんは食べたいですが、遅くなりそうなのでいいです。
新幹線の中でなにか食べますよ』
はぁっ、と物憂げに三橋さんがため息を落とした。
「わかりました。
じゃあなにか、軽いものを準備しておきます」
この場合の三橋さんの食事は、よくておにぎりかサンドイッチ、悪いとカロリーゼリー飲料で済ませたりする。
あれは絶対的に、身体によくない。
でも彼は、自分自身のことに無頓着……というよりも、関心がないのだ。
ここひと月ほどの付き合いでわかってきた。
『え、いいですよ、そんな。
迎えもいいですからね、タクシーで帰りますから』
はぁーっ、と今度は私の口からため息が落ちていく。
三橋さんと同じように、私も彼を甘やかせたいのだ。
そろそろそれに、気づいてほしい。
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