第4章 これは同情で愛情ではない

4/26
前へ
/26ページ
次へ
小物はちょいちょい洗っているが、休みじゃなきゃできない、大物が溜まっているのだ。 「着物は洗濯機に入れてもいいですか?」 などと間抜けにも、持ち上げた洗濯物に話しかけてみる。 私はデニムだとか洋生地で作った着物はネットに入れて手洗いコースで回すが、三橋さんのはどうしていいか、悩む。 それにこれ、生地こそデニムだが、たぶん、特注。 しかも高級手仕立て。 と、なると、洗濯機でガラガラ回すどころか、お家で手洗いすら迷うレベル。 「うーん。 知り合いの洗い屋さんにお願いするか……」 仕方ないのでそれは分けて、自分の着物だけ洗濯機へ入れた。 「うーん、洗濯完了!」 着物の洗濯は大物だけに、ひと仕事終わった、って感じだ。 あとは家の掃除をするところだろうけど、週二で三橋さんがハウスキーパーを入れてくれているので、特にすることはない。 「少しだけ、ミシンしようかなー」 ちなみに、これは趣味ではなく仕事だ。 うちの主力商品には嘘つき襦袢と裾よけパンツがあって、特に裾よけパンツは人気でサイトにアップした端から売れていく。 「よーし」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加