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少しばかり気合いを入れ、三橋さんが自宅の作業用に与えてくれた部屋にこもった。
『可愛い鹿乃子さんはいますかー?』
不意に三橋さんの声が聞こえてきて、びくりと手が止まる。
「はい、いますよ」
こきこきと凝り固まった肩をほぐしながら、目の前に置いてあるスピーカーに表示されている時間を確認した。
昼前に作業をはじめたはずだが、すでに三時を過ぎている。
『思いのほか早く用事が終わったので、いまから新幹線に乗れそうです。
お土産、なにが欲しいですか』
急ぐ必要なんかないのに、半ば走るように駅に向かっている三橋さんが容易に想像できた。
「フルーツサンド!
というか、あそこの食パンが美味しいので、食パンが欲しいです」
『わかりました。
新幹線に乗ったら、正確な着く時間をお知らせしますね』
「気をつけて帰ってきてくださいね」
話を終え、キリのいいところまでやって今日の作業は終えた。
最大早くて着くのは二時間半後だから、あと二時間は余裕がある。
買いものをして晩ごはんの準備までできそうだ。
「なんにしよーかなー」
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