27人が本棚に入れています
本棚に追加
【このたび語られるものは】
大陸は広く、なれば黒社会の広さもまた等しく、その一角に蜘蛛媛なる娼館の元締め在り。
その首魁は齢いくつとも知れぬ老婆、名は誰も口にせぬ恐れに恐れてまだ足りぬ【大奥様】。
して、その配下に七本の蜘蛛の脚在り。
彼女彼らをたかだか娼館の元締め風情と侮るなかれ。
その頭は女腕一本で周辺七街の娼館を纏め上げた千年無双の大女傑。
その脚ともなれば、時代さえ違えれば何れの一本も一派為すこと疑い無き大番頭ども。
ここではその一本、《大暴食》の黒狗について語ろう。
最初のコメントを投稿しよう!