プロローグ:あいつが俺を好きなはずがない

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 笑い出す二人に向かって叫ぶ。わかんないことは単刀直入に聞けばいい、それだけのことだ。 「りょーくんが、言ったの?」 「え? ああ、そんなはずがないって話をしてたとこだ」 『当たり前じゃん、バカじゃないの!』健一なら、いつもみたいに笑い飛ばしてくれると思っていた……のに。 「好きだけど」 「は?」 「スカイのことずっと好きだけど、おかしい?」  それは予想外の答えだった。 「待てよ、冗談だろ?」 「鈍感」  健一は表情ひとつ変えず、冷ややかに返す。 「お、おまえ、そんなこと……今までひとことも!」 「ほら、さっさと打ち合わせの続きするよ! りょーくんも彰も!」 「よし、早くやって終わらそう」 「へいへい」 「健一も、何を平然と答えてんだよ、おい!」  そんな空也の声も無視して、さっさと屋上を出ていってしまった健一のあとを追いかけるように、亮介と彰は何事もなかったような顔で屋上を出ようとする。 「ちょ、ちょっと待てよ! 話はまだ終わってねーぞ!」 「おまえが知らなかっただけで、みんな昔から知ってたってことだよ」 「だから言ったろ」  待てよ、亮介。そんな言い方しないでくれ。そもそも、俺はおまえのことが好きだったんだけど――
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