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にじみ出る明るさと飄々とした態度が人を惹き付ける。
簡単に言うと私とは正反対。
私がこの人の妻?
なおさら申し訳なくなって、身を小さくした。
土下座じゃすまない。
これは切腹。
切腹ものですよ。
「人見知りって聞いてたけど、まさか付き合っている人がいるのかと思ってびっくりしたよ」
「こ、これは、も、もう浮気のようなものです」
「違うと思うけど。じゃあさ、俺のこと嫌い?」
「わ、わ、私ごときが嫌いだとか、好きだとかなんて言えません!」
「どうして?」
「妹みたいに可愛くないし、オタクで家の外に出るのも好きじゃない暗い女ですよ。そんな私が言って許されることではありません」
「月子は綺麗だと思うよ。長い黒髪も好きだし、肌も白いし、俺を何より馬鹿にしなかった!」
まるで乙女ゲームの中みたいな台詞をすらすらと天清さんは言った。
それにバカにって?
そもそも私がバカにできるような人間がいると思えない。
「俺は月子のこと好きだよ」
どさっと倒れた。
「えええっ!?倒れた!大丈夫?」
大丈夫じゃない。
心からの言葉ってこんなに強烈なんだと思った。
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