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「ちょ、ちょ、ちょっとっー!!」
荷物をいつの間にか、勝手に移動されていた。
私の大切な宝物に触れるなんて。
さすがに見られたら引かれると危惧したのか、段ボールはガムテープで厳重に封印されていた。
中を確認したくて、開けたけれど、箱にぐるぐるまきのガムテームを見た時はなんとも言えない気持ちになった。
そこまで忌み嫌われる存在なの?
私の『ときラブ』は。
「うっわ!家一軒、建ててくれたなんてすごいなー。しかも広いし、さすが楠野。太っ腹だ」
広いのは当たり前。
本当なら、結婚した妹とその婚約者が住むはずだった家だ。
可愛い妹のために張り切って両親が建てたのは本邸と同じ広さの立派な新居だった。
でも、新崎グループ御曹司なんだし、あなたの家もかなりのものじゃ?と思っていたけれど、一度も伺ったことがないので、わからない。
「ここが俺達の部屋?」
俺達?
そんなの冗談じゃない。
ここは私の部屋よ―――って、いつの間にっっ!!
背後から現れたのはすでにお風呂に入って、『家の中を探検してくる!』と言っていなくなっていた天清さんだった。
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