第19話 新崎家

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「け、結婚相手!?天清さんのっ!?」 響子が何を言っているか、理解できなかった。 ただ『新しい結婚相手』という言葉と自分が天清さんの結婚相手として相応しくないと思われているということだけはわかったのだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「よく集まってくれたね」 明るい声で天清さんのお父様は会食が始まるなり、言った。 天清さんに似ているけれど、雰囲気はまったく違っていた。 重苦しい緊張感を人に与え、目は少しも笑ってない。 天清さんの優しい目とは似ても似つかない。 親戚や天清さんのお母様も沈黙し、誰も無駄口をたたかないことに違和感を感じた。 ―――なんだろう……この寒々しい空気は。 上座には天清さん、弟さん、妹さんと座っているけど、妹さんの顔色は悪く、青い顔をしていた。 私は一番、下座にされたけど、むしろそれでよかった。 上座に座ると人の目があるし、近くで食事をするなんて、食べ物の味がするとは思えない。 そうじゃなくても緊張で顔が強張っているというのに。 「今日、集まってもらったのは息子と娘の結婚について、全員の意見を聞こうと思ってね」 ドキッとして、何を言われるんだろうと待っていると最初に言ったのは天清さんの話ではなく―――

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