裏と表と嘘と真実③ ―後藤の視点―

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 20△△年7月11日。  仁王亜弥の「仁王夜斗は殺していない」という発言後、そのまま総合病院の総合集中管理室という病院が患者側に許可を得て、精神的にその患者の言動などを研究している場所に戻された。俗に「ハンシャホ病棟」と言われている場所で、世間的には誰も良いイメージがあるようなところではない。  反社会的思想保持者隔離病棟。  6年前に開設されたばかりのこの病棟は、精神的・思想的に反社会的だと診断された者が治療を受けるという名目にはなっているが、隔離し監視すると共に研究に強制的に参加させられているというのが現実だ。こんな事が国の政策として認められ実行されている事に対して、今の国民は何の疑問も持っていない。6年前のあの日から、狂った世の中になってしまった。
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