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15
食事を終えると、僕は自分のベットの横にお客様用の布団を敷いていた。
こんな経験はいつぶりだろう、そんなどうでもいい事を考えて気を紛らわしていても、家の中から聞こえてくるシャワーの音で僕の頭は埋め尽くされてしまう。
「あー……もうっ!」
僕は頭をかき乱しながら倒れこむようにしてベッドに寝転がる。
下の階から聞こえてくるシャワーの音は、心地よく耳に入ってくる。だが、それを使っているのが同級生の女の子と言うだけで、僕は聞いてはいけないものを聞いてしまっている気分になってしまう。
(こんなの何も意識しないなんて、無理だろ)
僕はベッドの上でバタバタと暴れまわるが直ぐに疲れてしまい、おとなしくスマホに手を伸ばす。
スマホを起動してロック画面の両親の写真を確認すると、僕はそのまま慣れた手つきでゲームアプリを起動する。
友人の居ない僕にはスマホの使い道などこのくらいしかなく、無駄に高くなってしまったゲームのランクを見てため息をついて、気を紛らわそうと指を動かす。
だが、今日一日いろいろと忙しかったからか、イベントが多かったからか、一人になれたことに気が緩んでしまい、僕の意識はだんだんと暗く静かな所へとゆっくりと落ちていった。
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