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しばらくすると、チャイムの音と共に担任の先生が教室に入ってきて、生徒たちは先生の姿を見るなりそそくさと自分の席へと帰っていく。
そんな足音を聞きながらも、僕は微動だにせず突っ伏した状態のまま、窓の外を見つめ続ける。
「はいおはよう。今日はまず初めに転校生を紹介するぞ」
先生が気だるげに言った一言で、先生の態度と逆に、教室中は一瞬で歓喜に満ち溢れた声で埋め尽くされる。
かくいう僕も自分には全く関係の無い事だとは分かっていながら、少しだけ心が浮ついてしまう。
「女の子ですか!?」
「入ってきていいぞ」
教室で1・2を争うお調子者の田中が、みんなの気持ちを代弁するかの様な質問をするが、先生は無視と言う答えを返すと、転校生が外で待っているのか、ドアの方に顔だけを向けて教室に入るようにと声をかける。
僕が机に突っ伏すのを止めて頭を持ち上げると、隣の席に座っている島田さんが不満そうな顔をしながら僕の方をじっと睨みつけているような気がする。
そんな気のせいをしていると、僕の考えをかき消すようにしてガラガラっと教室のドアが音を立てて開く。
すると、腰辺りまであるような透き通った綺麗な髪を交互に揺らしながら、美少女を再現したかのような女の子が教室の中へと入ってくる。
そのあまりの可憐さに皆が言葉を失って、先ほどまでうるさかった教室の中がみるみるうちに静まり返り、教室中は緊張感に包まれる。
「それじゃ、これで自己紹介してくれ」
その空気を壊すように、先生がチョークを渡して彼女に自己紹介を促す。
彼女はそれにコクリと頷いてチョークを受け取ると、僕達に背を向けるようにして黒板に文字を書き始める。
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