5日目前半

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2  僕は力の入らない足を動かし、雫が眠っていた筈の冷たいベッドに腰を下ろすが、一向に頭は冴えず、しばらくの間ボケっとしているとジリジリと目覚まし時計が騒ぎ出す。  僕はその音を止める元気が無く無視をしていたが、時計の音は決して止まることが無く、段々と音を大きくする目覚ましに僕は苛立ちを覚えて思いっきり時計を叩く。  だが、目覚ましの音は止まらないままで、それは、僕の心を乱し続けてきて、大きくため息を吐いてから今度は立ち上がってしっかりとスイッチを切る。  クセはこんな時でも抜けないようで、僕は音を止めるとそのまま時間を確認する。  そこには8:01と書かれていて、その表示を目にすると雫が残していったメモの内容を思い出す。 「そうだ……がっこう、いかないと」  僕はスッキリしない頭のまま、最後に残された物にすがり付く様に、力ない足でゆっくりと支度を始めた。
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