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自室をうろうろと歩き回りながら、わたしは途方に暮れていた。男から船倉への行き方を聞き出したのはいいものの、実際にはどうすれば良いか分からない。目立つ見た目のわたしが入ってもすぐに叩き出されてしまうのではないか。
そのとき、ドアが開いて、顔に何か柔らかなものが投げつけられた。
「メルニカ、それをあげるわ」
開け放たれたドアの横に、母が立っていた。
「〈星の旅人〉の女の装束よ。ヴェールがついているから、メルニカでも怪しまれないでしょう」
「ど、どうして……」
母は晴れやかに笑った。少女のような無邪気さで、祈るように手を組み合わせた。
「もう私にはいらないものよ」
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