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「♪蛍の光窓の雪~。そういう歌あるわよね」
「それスコットランドの民謡でしょ」
「ええそうなの?」
数人の女子学生が話している。
「それで日本で独自の歌詞が作られたのよね」
「替え歌みたいなもん?」
「まあそうね。それでその元ネタは・・・」
「知ってる。蛍雪の功っていう慣用句でしょ。」
「ことわざじゃない?」
「中国だから故事って言わない?」
「そういえばそうね。ていうか、故事って何かお話があってそれが由来の説明になってるというか」
「今聞いた話もそういうの?」
「違うでしょ。蛍雪とは全然別の話だし。というかこっちの話は秋休みとか四学期とか書いていて、今の私らの時代とは異なるわね」
「だからこれは蛍雪とかいうのを元にしている創作でしょ」
「故事って元のお話はみんな事実なの?」
「いやまあ、事実かもしれないし、作り話かもしれないし、だよね」
「それでその蛍雪の功のお話についてもいえるけど、夏と冬は何とかなってるけど、春と秋はどうしてるんかな」
「そう、私もずっと前から気になってるのよね。夜という暗闇の中で明かりをともす手段がなくて」
「いわゆる暗闇の季節ね」
1人の男子学生が質問する。
「みんなはどんな故事を知ってる?」
「三顧の礼」
「苦肉の策」
「髀肉の嘆」
「へ~、3人が3人共、同じ作品からのだ。まさに三暗刻。この小節を書いている作者の時代とはずいぶん違うね~」
「ていうか、この話、まだ続きがあるわよ」
「えっ?」
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