ともに生きる

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 手を繋いで二人は、海沿いの道をゆっくりと歩いていた。伝が羽石を見上げると、それに気付いて大丈夫か? と声をかけてくれる。伝は黙って頷くと、頭に大きな手のひらが乗っかってぽんぽんと撫でられた。こんなに身長差があるのに早足にならないのは、羽石が伝に合わせてくれているからだとわかっていた。優しいおじさんだなと思う。そして、この人になら自分の気持ちを話してもいいんじゃないかとも思った。  潮鳴りがして、風の匂いが鼻を掠める。 「僕の家は、えびが神様なんだ」  話し出した伝に気付いて、羽石は視線を向け、小さく相づちを打った。 「だから、えびの物を持ってると神様が幸せをくれて平和に暮らせるんだって。けど、逆にえびを殺したり食べたりすると罰が当たるって言われてて……」
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