発展

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発展

米が主食のダーナンの人々に、海苔は、速攻で受け入れられ 次に蕗が教えた、味付け海苔は、作る端から売れて行く。 ダーナンの朝食に、味付け海苔は、欠かせない物となった。 海苔作りは人手が足りず、青の国から、人手を補充する程だった。 三国で、人気が高い果物の栽培と、収穫でも、人手が足りず 広い野原に、自然に生えている、綿の木の収獲も、人手が無い。 それが、田んぼの仕事が忙しくなったり、収穫時期と重なると 全く、人手は足りなくて、緑の国や、赤の国からも、人員を補充した。 一時的な補充人員だと思って、やって来た人々は、やりがいのある仕事と ダーナンが気に入り、定住する人が増え、家族を呼び寄せる者も居た。 ダーナンの人口は、一気に5倍以上も増えたが、生活は、豊かになった。 赤の国から持ち込まれた、鉄製のローラーで、どんどん砂糖キビは絞られ 大量に生産される砂糖は、待っている三国に輸出される。 その他にも、蕗から教えて貰った、砂糖と、豊富な果物を使った ジャムを作り、赤の国から仕入れた、ガラス瓶に入れて、輸出する。 これも、三国には、人気が有った。 蕗は、更に忙しくなった。 移住者は、暑い気候に慣れなくて、体調を崩したり、病気や怪我 特に、毒虫に刺される事が多く、回復薬を飲んでも治らない者は 蕗の治療を待つしか無かったからだ。 虫刺されに効く、薬草は無いかと、ダニエルにも頼んで、探して貰い 良さそうな物が有ると、片っ端から試してみる。 ある日、綿の木の間に、青々と茂っている草を見つけた。 その草は、綿の木の成長を邪魔する草として、抜かれていたが 抜いても抜いても、直ぐにはびこるのだと言う。 「この草、他の草と違って、全然虫に食べられてないわね。 もしかしたら、虫が嫌う物を、持っているのかも」そう気付いた蕗は その草を使って、塗り薬を作り、それを手足に塗って、森に入らせてみた。 「蕗様、これは良いです、全然虫に刺されません」薬を塗って 森に入った男達が、そう報告した。 「よし、この薬を、大量に作ろう」しかし、ここでも人手が無い。 蕗は、ラフルとマディーに頼んで、薬作りの助手を、派遣して貰った。 やって来た三人と、長の孫と蕗、五人で、薬を作る。 だが、森や畑で仕事をする人は多い、作っても作っても、片っ端から無くなる 「これでは、蕗様達が、持ちません」長の言葉を聞いたジュレームは 「もはや、大きな兵力は要らぬ、ダーナンへ行って、蕗の手伝いをせよ」 そう言って、軍の兵の三分の一を、蕗の元へ向かわせた。 「蕗様~手伝いに来ました~」蕗の護衛をしていた ディグとビルドを先頭に、若くて力強い助けがやって来た。 「皆、有難う!!仕事の前に、好きな果物を食べてね」 蕗がそう言って、バナナやマンゴー、ジャックフルーツなどを並べ 「黒蜜を掛けた、団子も有るわよ」と、皆を労う。 「わぁ~頂きま~す」若者たちは、珍しい果物と、団子にかぶりついた。
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