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「わぁ~素敵!!蕗の葉っぱ迄彫ってくれたの?」蕗は大喜びで
箸を手に持ち、物を掴む真似をし「とっても使い心地が良さそう」と、言った
その時「蕗様、如雨露も出来ました」と、子供が持つ位の小さな如雨露が
蕗に、手渡された、その如雨露にも、蕗の葉っぱと、その下に立っている
可愛い女の子のイラストが彫られていた。
「まぁ、これにも蕗が、、それにこの子、とっても可愛いわね~」
蕗の大満足の顔を見て、職人たちも笑顔になる。
持って来た男が「こんな小さな如雨露、何に使うのですか?」と聞く。
「これに、薬を入れて、傷に掛けるの、これなら、広い範囲でも
楽に掛けられるでしょ」と、蕗は教える。
そして「この如雨露を使う度に、貴方達に、感謝する事になるわ」と、言い
「でも、なるべく使わないで済む方が、良いのですが」とも言った。
傍に居た職人達も、そうだな~と言う顔で頷く。
職人たちに見送られ、蕗は、赤の国の王宮に、行く。
マンセルは、にこにこしながら出迎えて「街中を、見て回ったそうですね」
と、言う「はい、美味しい物を沢山頂きました」
「そうですか、では、食事より、お茶にした方が良いですね」
マンセルはそう言って、お茶を持って来るように命じ
自分の部屋に、蕗を連れて行き、豪華なソファーに座らせた。
「他には、何か目についた物が有りましたか?」
「ええ、職人さん達の働いている所を、見せて貰いました。
あれでは、火傷が多い筈ですね、でも、皆さん、とても良い方ばかりで
素敵な箸と如雨露も造って頂きました」そう言ってマンセルに見せると
「その長い串は、何に使うのですか?」と言う。
「これは、箸と言って、私が元居た国で使っていた物です」
そう説明したが、マンセルには、ぴんと来ない様だったので
お茶とケーキが運ばれて来て「どうぞ」と勧められた時
その箸で、ケーキの上のサクランボを摘まんで見せた。
マンセルは、吃驚して「とても私には、真似できません」と、言った。
蕗は、これからも火傷をする人が出るだろうが、酷い時は、私を呼んで欲しい
それが無くても、時々は、見に来ますと、マンセルに言った。
マンセルは「そうして頂けると、本当に助かります」と、大喜びし
「これは、私からの、感謝の印です、我が国の石、ルビーでと思いましたが
蕗様の、純粋な心に合わせて、この石を贈らせて頂きます」と
大粒のダイヤと、周りに沢山の小粒のダイヤが連なっている
ネックレスを呉れた。
「こんな豪華な物を、有り難く頂きます」マンセルの、感謝の気持ちだと
蕗は、快く受け取った。
赤の国の人達に、橋の袂まで見送られ、蕗は、自分の屋敷に戻った。
その馬車の中で「この世界でも、宝石の名は、私の世界と同じ呼び方なのね」
そう聞くと「昔は、ただ赤い石とか、青い石とか言っていたのですが
ダニエル様から、名前を教えて貰って、今は、そう呼ぶようになったのです」と、ビルドが、教えてくれた、それを聞いた蕗は
ダニエルと言う、生物学者に会いたいと思うが、まだまだ会えそうに無かった
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