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「船が無くなっては、もうそのラグアと言う国へは、帰れぬな
我々の国には、あんな大きな船を造れる、技術者は居ないんだ」
ジュレームがそう言う。
「はい、、」「我々、二つの国に、あれだけの被害を出したのだ。
それは、どうするつもりだ」ルシアンも言う。
「、、処刑されても、致し方ない事かと」隊長は、そう言い
後ろに居る皆も、うなだれた。
その時、赤の国の王、マンセルがやって来た。
マンセルは、次は、自分達の国も、砲撃されるだろうと
国民を、高台に非難させ、警戒していたが、カルルが船を沈めたのを見て
急いで、青の国までやって来たのだった。
詳しい事を聞いたマンセルは
「お前たちの中に、船を造れる者は居ないのか?」と、ラグア人に聞いた。
「居ます、船が故障したり、傷んだ時に修理できる様に
5人の、船大工が居ます」と、隊長が言い、5人の男が、前に出て来て
「普段は、船員として働いていました」と、頭を下げる。
三人の国王は、話し合って、壊された物の修復作業を、ラグア人にもさせ
それが終わったら、緑の国の木を使い、赤の国の鉄を使って
元の様な船を造る、ただし、大砲は造らない、船が出来上がったら
その船に乗って、帰って貰う、そう決めた。
それを、隊長に告げると「有り難いお言葉ですが、それは出来ません」と言う
「何故だ?」「大砲を無くし、何の収獲も無く帰れば、国王の怒りを買い
我々は、処刑されます」「なんと!!」三人の国王は驚いた。
「処刑される位なら、この地で、一生奴隷として働く方を選びます。
我々を、お助け下さいました、優しいお心にすがって
この地で、奴隷として暮らす事を、お許し下さいませ」
ラグアの皆は、一斉に頭を下げた。
「仕方有りませんね、では、三国で、手分けして預かる事にしましょう」
ジュレームがそう言い「そうだな、では、物造りが好きな者は?」
マンセルが、そう言うと、5人の船大工の他に、4人が立ち上がった。
「この9人は、赤の国で預かる」「では、海で働いても良いと言う者は?」
ルシアンの言葉に、7人の男が、立ち上がった。
「では、この者達は、青の国で、働いて貰いましょう」
「残りの者と、怪我をして病院へ居る者は、緑の国が預かります」
最後に、ジュレームがそう言い
「行く先は決まりましたが、その前に、全員で、力を合わせて
壊した物を、元通りにして下さい」と、言った。
「そうだな、では、緑の国と、青の国が復旧するまでは、緑の国に
全員を預けましょう」マンセルは、そう言うと
「復旧に必要な道具が要るだろう、一緒に来てくれ」と
船大工の5人を連れて、帰って行った。
残りの者を連れて、緑の国に帰った、ハルド将軍は、軍の兵舎の一部を
ラグアの人々の宿舎にした。
隊長のガノンは、怪我をした仲間の様子が見たいと、病院へ案内して貰った。
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