ハプニングはタイミング

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 「そういえば、未玖結局どの水着にしたの?」  テーブルの上には『シンガポールのガイドブック』が広げられている。  それを眺めながらパソコンを叩く未玖に玲は訪ねた。  未玖は玲のパソコンで色々とリサーチしている。  そんな時ふと思い出したように玲に訊ねられて未玖はパソコンの画面から目を外した。  「どの?あれ?言わなかった?」  「うん。白って聞いたけど、白いくつか試着してたじゃない」  「確かに」  未玖は一歩も動かず紙袋に手を伸ばして手繰り寄せると、紙袋の中から水着を取り出した。  「あ、可愛い」  「でしょー?あんまりフリルは普段選ばないんだけどね」  未玖の選んだ水着は、腰の張りをフリルでカバーし、胸元にもフリルがあしらわれたガーリーなビキニだった。  どちらかと言えば玲に似合いそうだが、と未玖は思いつつ、水着なら別にいいかと普段の自分なら選ばないものを選んだ。  「ねぇ。来て見せてよ」  「数時間後に見れるじゃない」  「そうだけどさ」  玲は口を尖らせる。  先に自分が見られたんだから、と言いたいらしい。  「なら、玲も着てよ。あ、じゃあ玲こっち着て、私が玲の着るから」  「それ、楽しそう」  「まずは自分の着て、ね?」  玲と未玖はうきうきと立ち上がると、買ったばかりの水着に着替えに向かう。  
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