2658人が本棚に入れています
本棚に追加
プログラム1番は全員で体操だった。
今流行りの音楽を流して身体をほぐす簡単な動きを繰り返している。
幼児達が体操する様子を大人達は楽しそうに見ていた。
凌は三脚を置いて録画しており、シャッターは変わらず切り続けている。
雅と玲はムービーを撮り、未玖と綾乃はお喋りに夢中になっていた。
そして、プログラム2番は年少組のかけっこ。
もうさっそく、怜空と沙菜の番である。
「さあて。今夜の晩御飯が決まるわよー」
綾乃が何故かやる気だ。
雅は笑っている。
「どういうこと?」と、未玖が訊ねた。
「沙菜がかけっこで1番ならパパが回転寿司に連れてってくれるんだって。ね、パパ?」
綾乃は「やったー!夜ご飯作らなくていいんだ、わーい!」ぐらいにしか思っていない。
雅は苦笑しながら頷いて、補足した。
「お昼も稲荷寿司なんだけど」
最近娘はお稲荷さんにハマっている。
綾乃の実家で出されたそれを気に入り、綾乃にねだるようになった。
綾乃は百々子からレシピを聞いて作ったが、傍で見ていた雅も作れるようになり、今ではすっかり寿司職人になってしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!