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「アズキー、寝ないの?」
玲が風呂から出てきたのは知っている。
でも、俺はリビングのキャットタワーの一番上で拗ねて不貞腐れていた。
「おいで」
玲が下から俺を見上げて呼ぶ。
けど、やっぱり素直に飛び込めない。
「……ぶにゃ」
嫌い。あいつ嫌い。
玲は俺のなんだ。未玖は許すけど雄は許せない。
「……そんなに嫌だったの?」
嫌いだ。アイツ、玲にデレデレして。
玲は俺のなのに、人の女にちょっかいだそうとする。
「未玖の時はここまで嫌がらなかったのに」
未玖は玲を奪わない。
けど、あの雄はダメ。
「……アズキが嫌ならもう来れないわね」
「にゃあ、ふにゃぁあ」
(あいつに会わないで。嫌い)
「わかったわ。もう連れてこないから」
連れてこないけど、会うの?
玲はあの男、好きなのか?
俺がいるのに、浮気か?
どうしてだよ。
俺の方がカッコよくてしなやかで玲のこと愛してるのに。
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